明治安田J1第7節を終えた時点で、神戸は勝点16(5勝1分け1敗)で単独首位を走っている。約1/5を終えた段階で順位を語るのはナンセンスかもしれないが、選手たちから「この良い流れを維持できるように…」「一つでも勝点を積み上げることが大切」といった前向きなコメントが自然と口から出てくるのは上位争いをしているからこそ。開幕11戦未勝利だった昨季とは雲泥の差だ。
0-0のドローに終わった前節の新潟戦後、初の古巣戦に挑んだ酒井高徳はこんな話をしている。 「(勝点1でも)積み重ねることの大事さは、3位になった年(2021年)に感じていた。(今季のJ1第4節で)浦和に負けてからそのリアクション(第5節の鳥栖戦に勝って連敗回避)を見せられたのもあるし、しっかりポイントを取るところは取るということを継続しないといけない。シーズンの最後にこのポイント(新潟戦の勝点1)が大事だったと言えるような意気込みでどの試合でもやりたい」
チームの雰囲気は、一度も連敗をせずにシーズンを終えた21年に似ているのかもしれない。
とはいえ、昨季と主力メンバーが大きく変わっていない中で、今季はなぜ勝点を積み上げられているのだろうか。
もちろん理由は一つではないが、スケジュール的に昨季よりも恵まれていたのは確かだろう。昨季はAFCチャンピオンズリーグとの兼ね合いで開幕節と第2節の間に第9節の浦和戦が行われ、第10節の横浜FM戦も3月に前倒し開催された。過密日程というだけではなく、相手は優勝候補に名が挙がる強豪。ここで勝てば勢いづいたかもしれないが、結果的に負けたことでつまずくことになった。
一方の今季は開幕節の福岡、札幌、G大阪と近年の対戦成績では神戸が優っているチームと対戦し、そこでしっかり結果を出せたことで勢いに乗ることができた。
また、開幕3連勝を飾れた要因としては、エースの大迫勇也がキレキレな点も大きい。今季のJ1リーグ戦7試合全てを先発出場し、うち5試合をフル出場。すでに昨季の7ゴールの半分に迫る3ゴールを挙げている。そんな数字以上にチーム貢献度は高く、献身的な守備でのプレッシング、カウンターの起点、前線でのポストプレーなどで神戸の好調を支えている。
好調の理由としては環境の変化が考えられる。昨季の最終節後、ミックスゾーンで大迫はこんなコメントを残している。
「(2022 FIFAワールドカップ カタール大会の日本代表メンバー入りがかかる大事な1年でケガを抱え)今年は色々と失敗し、難しいシーズンだった。(中略)オフはまずゆっくりと休んで、もう一度身体を鍛え直して、来季はチームが勝てるように全力を尽くしたいと思います」
表現が不適切かもしれないが、昨季はワールドカップと神戸を天秤にかけながらの戦いだった。結果的に神戸はJ1残留を決め、大迫は代表から落選したわけだが、今季はそういう難しさはない。神戸での戦いだけに集中できる状況にあるのではないだろうか。
週末にはアウェイでの古巣・鹿島戦を控えている。昨季1分1敗で負け越している難敵との一戦は、首位・神戸にとって一つの山場だ。この試合に限ったことではないが、エース大迫の真価が問われる一戦となりそうだ。
Reported by 白井邦彦
0-0のドローに終わった前節の新潟戦後、初の古巣戦に挑んだ酒井高徳はこんな話をしている。 「(勝点1でも)積み重ねることの大事さは、3位になった年(2021年)に感じていた。(今季のJ1第4節で)浦和に負けてからそのリアクション(第5節の鳥栖戦に勝って連敗回避)を見せられたのもあるし、しっかりポイントを取るところは取るということを継続しないといけない。シーズンの最後にこのポイント(新潟戦の勝点1)が大事だったと言えるような意気込みでどの試合でもやりたい」
チームの雰囲気は、一度も連敗をせずにシーズンを終えた21年に似ているのかもしれない。
とはいえ、昨季と主力メンバーが大きく変わっていない中で、今季はなぜ勝点を積み上げられているのだろうか。
もちろん理由は一つではないが、スケジュール的に昨季よりも恵まれていたのは確かだろう。昨季はAFCチャンピオンズリーグとの兼ね合いで開幕節と第2節の間に第9節の浦和戦が行われ、第10節の横浜FM戦も3月に前倒し開催された。過密日程というだけではなく、相手は優勝候補に名が挙がる強豪。ここで勝てば勢いづいたかもしれないが、結果的に負けたことでつまずくことになった。
一方の今季は開幕節の福岡、札幌、G大阪と近年の対戦成績では神戸が優っているチームと対戦し、そこでしっかり結果を出せたことで勢いに乗ることができた。
また、開幕3連勝を飾れた要因としては、エースの大迫勇也がキレキレな点も大きい。今季のJ1リーグ戦7試合全てを先発出場し、うち5試合をフル出場。すでに昨季の7ゴールの半分に迫る3ゴールを挙げている。そんな数字以上にチーム貢献度は高く、献身的な守備でのプレッシング、カウンターの起点、前線でのポストプレーなどで神戸の好調を支えている。
好調の理由としては環境の変化が考えられる。昨季の最終節後、ミックスゾーンで大迫はこんなコメントを残している。
「(2022 FIFAワールドカップ カタール大会の日本代表メンバー入りがかかる大事な1年でケガを抱え)今年は色々と失敗し、難しいシーズンだった。(中略)オフはまずゆっくりと休んで、もう一度身体を鍛え直して、来季はチームが勝てるように全力を尽くしたいと思います」
表現が不適切かもしれないが、昨季はワールドカップと神戸を天秤にかけながらの戦いだった。結果的に神戸はJ1残留を決め、大迫は代表から落選したわけだが、今季はそういう難しさはない。神戸での戦いだけに集中できる状況にあるのではないだろうか。
週末にはアウェイでの古巣・鹿島戦を控えている。昨季1分1敗で負け越している難敵との一戦は、首位・神戸にとって一つの山場だ。この試合に限ったことではないが、エース大迫の真価が問われる一戦となりそうだ。
Reported by 白井邦彦