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【取材ノート:琉球】古巣への恩返しに臨む森田凜。「奈良での経験が自分の成長に繋がっている」

2023年4月6日(木)


「めちゃくちゃ楽しみにしていたし、成長している姿を見せたいですね」

昨年までJFLの奈良クラブでプレーし、優勝とJ3昇格に貢献した21歳の森田凜は今週8日の明治安田生命J3リーグ第6節で迎える古巣戦を前に胸を高鳴らせている。

徳島アカデミーで技と攻撃センスを磨き、広い視野から繰り出す長短のパスで推進力を生み出せる森田は、世代別代表に選出された経験を持ち、20年に徳島のトップチームに昇格。翌年から2年間を奈良で過ごし、武者修行を経て今年は徳島ユース時代の恩師でもある倉貫一毅監督が率いる琉球へ期限付きで加入。ドイスボランチの一角として今季全試合で先発出場している。

今、その地位を築くことができているのは奈良時代での経験が大きいと本人は話す。

「フリアン(マリン バサロ監督)からは守備の大切さを教えてもらいました。もちろんポゼッションも大切にしていますが、特にゴール前での守備においては絶対にマークを外すなと言われ続けていました」

攻撃のポテンシャルを生かしつつ、絶対に対人で負けないメンタリティも鍛えられた森田は、攻守両面において奈良で経験を積み上げた。それを体感しているからこそ、攻守徹底の奈良の強固さをよく知っている。奈良戦の向けた今週の練習では、チーム全体の攻守の矢印が前向きな姿勢を見せている。その上で森田はボックス付近から積極的に攻撃に絡み、シュートの意識も高い。

「たしかに去年一緒にプレーしていた選手と会えるのは楽しみだけれど、今は勝つことだけしか考えていない。試合中、考えることを切らさずにいかに僕らが崩せるか。スイッチを入れて戦えるか。ボランチですがゴールを奪うことも元々求められているので、恩返しできるよう頑張ります」

チームは現在2連敗中。この負の流れを断ち切るべく、パリオリンピック世代の森田が古巣相手に揮うタクトと積極的に前を向く姿勢に注目したい。

Reported by 仲本兼進