J2初挑戦ながら開幕2連勝と最高のスタートを切った藤枝MYFC。だが、第3節ではJ2屈指の曲者と言われるブラウブリッツ秋田の術中にはまり、0-1で初黒星を喫した。
ただ、須藤大輔監督をはじめチームの全員が、連勝しても負けても一喜一憂はしていない。「3試合で勝点6というのは自分たちが目指しているペース」であり、秋田戦は「まだまだ力不足ということで、切り替えやすい負け方でした」と須藤監督は振り返る。
何より忘れないでほしいのは、現状でもJ2で十分に通用する力を見せているが、藤枝はまだまだ発展途上のチームであり、それを選手も全員が理解しているということだ。
ここまで1得点2アシストと結果を出している2年目の久保藤次郎は、次のように語る。
「去年も試合に負けた反省を生かして成長してきました。だから同じ負け方は少なかったと思います。1回だけ同じ形で連敗したのは、松本戦(第12節)と今治戦(第13節)でしたが、その後みんなで課題を克服して6連勝(クラブ新記録)しました。今年もそういうことを続けていきたいです」
だからこそ楽しみなのは、秋田戦で浮き彫りになった課題を踏まえてチームがどう成長していくかというところだ。
最大の課題となったのは、立ち上がりで秋田の強烈なプレスを受けて、持ち味である最終ラインからのビルドアップがスムーズにできなかったところだ。
「(相手のプレスの)ファーストラインのところで、時間かけすぎたり、後ろ向きのプレーだったり、相手が来ていないのに人に預けたりして(ボールが)前に進まなかった」(須藤監督)。それによってチームのリズムがなかなか出ない中で、ミスも出て先制点を奪われてしまったことが最大の敗因だった。
もちろん、ビルドアップに関しては須藤監督の就任当初からつねに強化を続けてきた。それでもJ2屈指のプレス強度を誇る秋田に対しては、まだ不足していた。その壁を乗り越えるためには、ミスを怖れない勇気も必要だが、それを後押しする言葉もじつに須藤監督らしい。
「(選手には)勇気を持ってボールを持ち出してもらいたい。そこで失ったとしても、選手の責任じゃないという戦術をとってるので。全て僕の責任だから、思い切ってやってほしいです」
そうした指揮官のバックアップを受けて、選手たちは公式戦でも果敢にチャレンジを繰り返し、成功しても失敗しても成長につなげている。それが1年半でチームが大きく成長してきた原動力のひとつでもある。
秋田戦でもうひとつ課題となったのは、リードした相手に6-4-0のような布陣で徹底して守りを固められ、それを崩しきれなかったことだ。だが、その点に関しても、選手たちの姿勢にブレはない。
「ゴール前は本当にスペースがなかったですが、それでもこじ開けられるぐらい攻撃のクオリティとかコンビネーション、アイデアといったところを上げていきたいです」と10番の横山暁之は言う。
目指す理想は高いが、それが不可能な到達点ではないということを、彼らは信じている。それは、これまでの積み重ねとそれによって得た成果が証明しているからだ。
開幕前とは一転して、藤枝を降格候補に挙げる人は少なくなっているだろう。だが、このチームはそこに満足することなく、さらなるサプライズを起こすための研鑽に余念がない。
Reported by 前島芳雄
ただ、須藤大輔監督をはじめチームの全員が、連勝しても負けても一喜一憂はしていない。「3試合で勝点6というのは自分たちが目指しているペース」であり、秋田戦は「まだまだ力不足ということで、切り替えやすい負け方でした」と須藤監督は振り返る。
何より忘れないでほしいのは、現状でもJ2で十分に通用する力を見せているが、藤枝はまだまだ発展途上のチームであり、それを選手も全員が理解しているということだ。
ここまで1得点2アシストと結果を出している2年目の久保藤次郎は、次のように語る。
「去年も試合に負けた反省を生かして成長してきました。だから同じ負け方は少なかったと思います。1回だけ同じ形で連敗したのは、松本戦(第12節)と今治戦(第13節)でしたが、その後みんなで課題を克服して6連勝(クラブ新記録)しました。今年もそういうことを続けていきたいです」
だからこそ楽しみなのは、秋田戦で浮き彫りになった課題を踏まえてチームがどう成長していくかというところだ。
最大の課題となったのは、立ち上がりで秋田の強烈なプレスを受けて、持ち味である最終ラインからのビルドアップがスムーズにできなかったところだ。
「(相手のプレスの)ファーストラインのところで、時間かけすぎたり、後ろ向きのプレーだったり、相手が来ていないのに人に預けたりして(ボールが)前に進まなかった」(須藤監督)。それによってチームのリズムがなかなか出ない中で、ミスも出て先制点を奪われてしまったことが最大の敗因だった。
もちろん、ビルドアップに関しては須藤監督の就任当初からつねに強化を続けてきた。それでもJ2屈指のプレス強度を誇る秋田に対しては、まだ不足していた。その壁を乗り越えるためには、ミスを怖れない勇気も必要だが、それを後押しする言葉もじつに須藤監督らしい。
「(選手には)勇気を持ってボールを持ち出してもらいたい。そこで失ったとしても、選手の責任じゃないという戦術をとってるので。全て僕の責任だから、思い切ってやってほしいです」
そうした指揮官のバックアップを受けて、選手たちは公式戦でも果敢にチャレンジを繰り返し、成功しても失敗しても成長につなげている。それが1年半でチームが大きく成長してきた原動力のひとつでもある。
秋田戦でもうひとつ課題となったのは、リードした相手に6-4-0のような布陣で徹底して守りを固められ、それを崩しきれなかったことだ。だが、その点に関しても、選手たちの姿勢にブレはない。
「ゴール前は本当にスペースがなかったですが、それでもこじ開けられるぐらい攻撃のクオリティとかコンビネーション、アイデアといったところを上げていきたいです」と10番の横山暁之は言う。
目指す理想は高いが、それが不可能な到達点ではないということを、彼らは信じている。それは、これまでの積み重ねとそれによって得た成果が証明しているからだ。
開幕前とは一転して、藤枝を降格候補に挙げる人は少なくなっているだろう。だが、このチームはそこに満足することなく、さらなるサプライズを起こすための研鑽に余念がない。
Reported by 前島芳雄