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【取材ノート:新潟】新潟の守護神・小島亨介が能力を全開にする時が来た

2023年2月23日(木)


明治安田生命J1リーグ開幕のアウェイ、セレッソ大阪戦で先発したアルビレックス新潟のGK小島亨介は、ついにJ1デビューを果たした。昨季は自身初となる全試合に先発フル出場。J2最少タイの失点数を実現し、堅守を証明したチームの守護神が楽しみにしていたのが、思う存分、守ること。日本のトップリーグで、いったいどれだけ難しいシュートが飛んでくるのか、であった。

利き足の左はもちろん、右足でも巧みにボールを扱い、チームが志向するスタイルに欠かせないビルドアップに積極的に関われるのは、大きな強みであり、魅力だ。戦いの舞台をJ2からJ1に移しても、引き続き持ち味を出していきたいポイントになる。加えて確実に増えるだろう守備機会において、自分の存在価値を証明する。大きなモチベーションだ。昨季は被シュートそのものが少なかった。だが、今季はそうはいかないはずだからだ。

果たしてC大阪戦は、シュート数はともに10本ずつ。先制した後、為田大貴(28分)、奥埜博亮(75分)に決められて一度は逆転されながら、最後に追いつき2-2で引き分けた。


その2失点が、守備力アップの手がかりを与えてくれる。

「1失点目はアーリークロスが逆サイドに流れて、なかなか自分たちがラインアップできずに、低い位置からクロスを上げられてしまいました。それをドンピシャのヘディングで合わせられたのですが、まずはアーリークロスが相手の狙いだろうというスカウティングがあった中で、上げさせない対応が必要だったと思います。それから僕を含め、クロスが上がった後のゴール前で相手に自由にやらせないことです。

2失点目はチームとしてプレスの行き方が少しバラバラになってしまいました。その結果、後手を踏んでしまい、深い位置までボールを運ばれてクロスを上げられ、そこから失点。試合の終盤という時間帯的にプレスに行くのか、それとももう少しブロック気味にバランスを取るのか。より良い判断が必要になってきます」

念願だったJ1での戦いが、いよいよ始まった。その高揚感よりも、冷静な部分が前面に出てくる。

「公式戦が始まったわけだし、次こそ勝つ。それだけです。開幕で勝ち切れなかったことは、ただただ悔しい。最終的に僕が止めれば失点はないので、僕自身の守備範囲を広げていきます」

気づいた分だけ、新潟の堅守は精度と質を増していく。

Reported by 大中祐二