AC長野パルセイロは2月1日、JFL・FCマルヤス岡崎と30分×4本のトレーニングマッチを行い、3-1と快勝した。3日前に行った東京国際大戦(○4-2)に続き、新加入の近藤貴司と進昂平が得点(進は2得点)。その2人をはじめ、ニューフェイスが存在感を放っている。
今試合では「中盤のディフェンス」をテーマに掲げた。昨季も守備時に採用していた3-1-4-2(あるいは1トップ)の布陣。ハイプレスを仕掛けて剥がされるシーンも少なくなかったが、素早く帰陣してブロックを形成していく。ポゼッション主体の相手を思いどおりに前進させず、PKの1点に抑えた。
攻撃で起点を演じたのは、早稲田大から加入した丹羽匠だ。この日はアンカーの位置で約75分間プレー。2本目の15分、右サイドでのボール奪取から丹羽がサイドチェンジを送り、最後は左サイドの三田尚希がシュートを放つ。正確なフィードでチャンスを作ると、27分にはセットプレーのキッカーとしても見せ場が到来。左CKをファーサイドの髙窪健人に合わせ、折り返しを近藤貴司が押し込んだ。さらに3本目の18分、自陣で横パスを受けると、ダイレクトで進の背後にフィードを送る。進がフリーで抜け出し、GKとの1対1を制した。
「練習からボールを持った時はやれる感覚があった。周りも自分の良さを理解してくれて、『もっとボールを受けろ』と言ってくれる」。その言葉通り、中盤の底で臆せずボールを受け、前後左右に散らすことでチームの潤滑油となった。アンカーは西村恭史や宮阪政樹らが名を連ねており、競争が激しいポジション。攻守両面のタスクも多岐にわたるが、シュタルフ悠紀監督は「我々が求める『Aggressive Duels』と『Never Give Up』の部分も出してくれている。今すごくアピールできている選手の一人」と評している。
期待の“最新戦力”もアピール中だ。前日に大分トリニータから期限付き移籍加入が発表されたGK濵田太郎は、約60分間プレー。ピンチこそ少なかったが、持ち味のビルドアップ力で攻撃の第一手を担った。相手がプレスに来ようとも、ギリギリまで味方の状況を見極められるのは自信の表れ。ポゼッション志向の大分で揉まれ、J屈指のビルドアップ力を誇るGK高木駿と切磋拓磨していただけあって、プレー水準は高い。
1月27日に合流したばかりで日は浅いが、GK矢田貝壮貴とは学生時代に面識がある。GK陣は平均年齢22.8歳と非常に若く、22歳の濱田が溶け込むのは問題ないだろう。「年齢が近いからこそ負けたくないと思っている。大分からレンタルで来て絶対に(試合に)出ないといけないし、出るのは当たり前というくらいの認識でやりたい」と語気を強めた。
ここ2試合は新戦力の活躍が目覚ましく、昨季の主力も胡座をかいてはいられない。レギュラー争いは激化の様相を呈しており、指揮官も良い意味で頭を悩ませているのではないだろうか。
Reported by 田中紘夢