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【取材ノート:大宮】補強以上の補強。岡庭愁人、袴田裕太郎、共に新シーズンへ

2022年12月29日(木)
2023年シーズンへ向けた、このオフの大宮アルディージャの補強編成にやきもきさせられる日々が続く。新体制発表まではもう少し日があり、全容が明らかになったわけではないが、既存戦力の引き留めという面では、大きな流出はありながらも、まずまず健闘しているといったところだろうか。

なかでも、岡庭愁人と袴田裕太郎の確保は、ともに今季は期限付き移籍で加わっていた選手だとすれば、大きな補強とも言える。この点については強化部を評価したい。

岡庭は7月に加入後、第29節水戸ホーリーホック戦以降の全14試合に出場、うち13試合に先発し、12試合はフル出場。豊富な運動量と瞬発力で攻守に大きく貢献した。



だが、本人は満足していない。J2残留を決めたレノファ山口FC戦後も「まだまだもっとできることがあった。無失点で終わって、何回もオーバーラップしてアシストするというのは今の課題」と、即座に次へ視線を向けていた。



ただ、来年はもう少し期待をしても良さそうだ。シーズン終盤には、「状況によって、前へ出るのかスペースを埋めるのか、連係も含めて落ち着いて守れるシーンは増えていますし、時には奪いに行くシーンもある。自分の良さや周りの良さを生かせるようなオーガナイズができているので、かなり積み上がってるんじゃないかなと思ってます」と感触を口にしていた。このベースを持って臨める新シーズンは、さらなる上積みを期待したい。

そして、袴田は完全移籍となり、名実ともに大宮の選手となった。



大宮デビューは岡庭と同じく水戸戦だったが、その試合から全14試合にフル出場し、新里亮とともに最終ラインの中央を固めた。

守備力や左足でのフィードはもちろんだが、中でも大きな魅力が決定力。14試合でセットプレーから4得点、90分当たりの得点率0.29は、富山貴光、中野誠也に続き、河田篤秀を抑えてチーム第3位となった。



「大宮のために戦いたいというその気持ちだけで、自分の人生を懸けてじゃないですけど、それぐらいの気持ちで(大宮に)来た。すべての試合にフル出場させてもらって、少しはチームに貢献できたのかなとは思いますが、何より自分がやってきたサッカー人生の中で一番楽しくできた。すごく成長できた半年だったと思います」

少し謙遜し過ぎのように思えるが、その手応えが大宮への完全移籍につながったのは間違いないだろう。新シーズンも、また熱いプレーを見せてほしい。

2023年へ、クラブリリースで発表されたコメントでも、「大宮の3番が似合う漢に」(岡庭)、「(サポーターと)共に闘いたいと思いました。その想いをピッチで証明します」(袴田)と、大きな覚悟を感じさせる。おそらくは彼ら2人を中心に構成される来季の最終ラインに、今から思いを馳せている。

Reported by 土地将靖