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【取材ノート:神戸】1勝1分でホーム3連戦目へ。G大阪との“直接対決”は死闘必至

2022年9月15日(木)
J1リーグ残留争いの正念場となるホーム3連戦で、ヴィッセル神戸は初戦の名古屋グランパスに引き分け、続く2戦目はFC東京を2-1で下した。順位も16位に1つ浮上し、J2リーグ自動降格圏を脱出。週末のガンバ大阪戦をいい形で迎えられそうだ。

名古屋戦、FC東京戦でチームの結束が一歩ずつ固まった印象だ。

名古屋戦では左CBの小林友希が出場停止だったものの、ケガから先発復帰を果たした菊池流帆とマテウス トゥーレルがゴール前にカギをかけて名古屋をシャットアウト。勝点3は逃したものの、8月の明治安田生命J1リーグ第25節・北海道コンサドーレ札幌戦以来となるクリーンシートを達成した。


続くFC東京戦では課題だった得点不足をクリアし、2-1で勝点3を手にした。J1リーグでの得点はクリーンシートで勝利した第25節の札幌戦以来だった。


そのFC東京戦。J1リーグ残留に向けて負けられない神戸は、前線から武藤嘉紀が激しくボールをチェイシングし、小林祐希、山口蛍、佐々木大樹、汰木康也らが連動してハイプレスをかけていく展開。FC東京はプレスを回避してビルドアップを試みるが、なかなかうまくボールを運べない状況が続いた。

そして11分。酒井高徳の折り返しから汰木を経由して山口へ。右足アウトサイドにかかった山口のミドルシュートは、名手ヤクブ スウォビィクから逃げるような軌道を描いてゴール右隅へと吸い込まれた。ピッチで抱き合う選手たち、ベンチで飛び跳ねるチームスタッフたち、そして歓喜に沸く神戸サポーターたち。スタジアムのボルテージが一気に上がった瞬間だった。

さらに25分。右CKから汰木が上げた絶妙なプレースキックに菊池が豪快に頭で合わせて追加点をマーク。神戸は2-0という最良の形で前半を折り返すことになった。

FC東京は後半からアダイウトンと東慶悟をピッチに送り込んで反撃の糸口を模索する。だが、プレス強度を落とさない神戸が主導権を握り続けた。佐々木の負傷交代、トゥーレルが大事をとって交代などさまざまなアクシデントがあったものの、藤本憲明や郷家友太ら交代で入った選手たちが戦う姿勢をピッチで表現し、終盤までFC東京の反撃を許さなかった。90分にレアンドロにゴールを許したものの、チーム一丸でつかんだ勝点3だった。

試合後、ミックスゾーンを通る神戸の選手たちは心なしか穏やかな表情だった。だが、先制点を決めた山口は柔和な中にも厳しさを浮かばせてこう話した。

「(FC東京に勝って)これでラクになったとは考えずに、常に危ないってことを念頭に置きながら日々を過ごし、試合をしていかないといけない。今日勝ったからといって緩めてしまうと、またすぐにやられてしまう。しっかり気を引き締めてやっていきたい」

ホーム3連戦の最後はJ1リーグ残留を争う暫定15位・G大阪との直接対決である。神戸の消化試合数が1試合少ない中で勝点差は1。状況的には神戸が有利だが、落とせばたちまち窮地となる。死闘は必至。注目の一戦は9月18日(日)19時にキックオフとなる。

Reported by 白井邦彦