明治安田J3第24節・愛媛FCとの「伊予決戦」は、先制されながら一度は逆転に成功。しかし再び試合を引っ繰り返され、2-3で敗れる悔しい結果に終わった。ダービーに敗れたこともさることながら、何とかJ2昇格争いに踏みとどまろうとするチームにとって、4連勝のあとに連敗したことが痛恨だった。
1点を追う87分、DF飯泉涼矢はセンターバックではなく、最後の反撃の起点となるべく最前線に投入された。
「試合前に“どういう形でも行けるよう準備をしておいてくれ”とひとこと言われていた」と飯泉。4バックを基本に、リードを守り切る場合は5バックも取るチーム戦術に対応することはもちろん、点を取りに行く状況であれば、FWでのプレー経験を生かしてパワープレー要員となる心づもりで出番を待った。
「逆転したとき“後ろでの出場かな”と思ったけれど、引っ繰り返されてしまったので、自分の名前を呼ばれたとき、前で出ることは分かっていました。起点をつくったり得点に絡んで、何とかチームに貢献したかったのですが」
愛媛戦までセンターバックとして13試合に出場していた飯泉は、けがでの離脱もあって、現在はチーム内で競争して出場の機会を勝ち取る立ち位置にいる。その意味でも、日々の練習の重要性を改めて学んだダービーでの途中出場だった。
「相手はシュートに対して2人、3人と体を投げ出していたし、GKを含めて守れていました。自分たちはどうだったのか。それだけが勝負を分けるかはわからないですが、そういうプレーは間違いなくシュートを打つ相手に影響を与えます。練習からもっと突き詰めて、自分たちががけっぷちにいることを意識しながらやっていかないといけない」
本職の守備だけにとどまらず、勝つためにできることはすべてやる。伊予決戦で飯泉が見せた姿勢は、ここからはい上がり、上位に食らいついていくべきチームにも不可欠なものだ。
Reported by 大中祐二