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【取材ノート:大宮】3ヶ月ぶりの無失点勝利。守護神・志村滉は、サポーターの声を後押しに戦い続ける

2022年9月13日(火)


「やっとですよ」

明治安田生命J2リーグ第35節アウェイでの甲府戦。3-0での完勝の後、志村滉は満面の笑みでミックスゾーンに現れた。

第28節秋田戦以来、約1ヶ月半ぶりの無失点。クリーンシートでの勝利に限れば6月12日第21節アウェイの秋田戦以来、実に3ヶ月ぶりとなる白星を勝ち取った。


その試合以来、未勝利が続いていた。第30節で横浜FCを下し約2か月ぶりの勝利を挙げると、続いて仙台も破り上位相手に2連勝。だが、ともに2失点での辛勝に、志村の心中は晴れ晴れとはいかなかった。

「(勝てば)うれしいんですけど、やはりGKとしてはやられてるから、なんかもやっとしたものが少なからずあるんですよね」

だが、この試合は違った。序盤に富山貴光の2得点でリードを奪ったが、攻勢を強める甲府に徐々に押し込まれる。その中でも守備陣は集中して守り続け、その間隙を突いた甲府の至近距離からのシュートは、志村がしっかりとはね返した。

「声掛けやポジショニングが良かったから対応できてたし、その点では前節(第34節熊本戦)よりも改善されたと思います。みんな集中も切れなくて、押されていてもそれほど怖くなかったですね」

袴田裕太郎のダメ押しゴールもあり、チームは連敗を2でストップ。順位も19位と少しだけ浮上したが、しかしまだ何も決まってはいない。

「シーズン途中から来てこうやってチャンスをもらえて、今までのサッカー人生で一番試合に絡めて、一番充実した時間を送れていると思っています。その中でも、さらに結果にこだわってやっていきたい」



上田智輝の大ケガで急遽大宮に加わり、南雄太の戦線離脱から正GKを務めることになった。いわば借り物、臨時雇いの守護神かもしれないが、その明るいキャラクターですっかりチームのムードメーカーになっている。

そんな志村が、この試合で何よりも喜んだのはサポーターの声だった。

「声出し応援はめっちゃ良かったです。今日もアウェイなのにたくさんの人が来てくれて、やっぱり声出しっていいなと思いました」



今シーズン、少なくともホーム・NACK5スタジアム大宮での試合はすべて声出し応援適用試合となった。サポーターの声を一番近くで受けるGKが、その声を意気に感じて闘えるのだ。これほど心強いことはないだろう。

大宮共闘。その先にあるものを目指して――。

Reported by 土地将靖