8月22日に行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2022 ノックアウトステージ 準々決勝」。ヴィッセル神戸は韓国の全北現代に延長戦の末に敗れた。スコアは1-3。試合後、吉田孝行監督には、記者からラウンド16の横浜F・マリノス戦から先発7人を変更した意図、アンドレス イニエスタをベンチ外にした理由などの質問が飛んだ。そして、明治安田生命J1リーグ残留争いを優先してACLを捨てたのではないかといった疑惑や批判の記事がネット上を賑わせることになる。
その質問に対して、吉田監督のコメントはこうだ。
「まず先発メンバーを7人入れ替えたことについては、この過密日程で、勝っても2日後に試合、ましてや今日のキックオフが夏の暑さの中で16時ということを考えると、3試合全部勝つことを前提に考えると、今日はスタメンを入れ替えたほうがいいんじゃないかという自分の判断です。アンドレス(イニエスタ)の件については、足の状況をみて判断しました」
理に適ったメンバー選考にも思えるし、ACLを投げ出したように聞こえなくもない。解釈の仕方によって賛否両論が分かれるところだろうが、汰木康也が「人よりも本当にACLにかけていた思いは強いので、悔しいは悔しいですが、何と言っていいのか言葉が出てこないです」と述べたように、ACLを捨てたとは考えにくい。そもそも、例え消化試合のようなシチュエーションの試合でもプロチームが公式戦を捨てることはない。
今回の準々決勝敗退で改めて考えさせられたのは、ACLの戦いはJ1リーグを含めて考える必要があるということだ。仮にヴィッセル神戸が現時点でJ1リーグ残留争いの渦中にいなければ、ACLを捨てた疑惑なんかは起こらない。言い方を変えれば、残留争いをしていなければACLにもっと全パワーを注げた可能性もある。
J1リーグ残留争いがチラつく状況で、過密日程のACLを勝ち抜くのは至難の業だった。
試合後、ACLの戦いを今後のリーグ戦にどう繋げたいかと問われた山口蛍は「リーグ戦はリーグ戦の戦いというのがあると思うので、ACLとは別物」と答えている。反論はない、正論である。
ただ、一方では3月のACLプレーオフで主力のセルジ サンペールが負傷離脱し、その後のリーグ戦にかなりの悪影響を及ぼしたのも事実である。マインドとしてはリーグ戦とACLは別物だが、実際には無関係ではない。
今回の準々決勝敗退が教えてくれたことは、ACLをどういうチーム状況で迎えるかもかなり重要ということだ。もちろん、J1リーグ首位の横浜F・マリノスがラウンド16でヴィッセル神戸に敗れるといった例もあるが、J1リーグとACLを切り離して考えていては、いつまでもアジアの頂点には立てないと思われる。これが、2度目のACL挑戦で得た教訓だろう。
Reported by 白井邦彦
その質問に対して、吉田監督のコメントはこうだ。
「まず先発メンバーを7人入れ替えたことについては、この過密日程で、勝っても2日後に試合、ましてや今日のキックオフが夏の暑さの中で16時ということを考えると、3試合全部勝つことを前提に考えると、今日はスタメンを入れ替えたほうがいいんじゃないかという自分の判断です。アンドレス(イニエスタ)の件については、足の状況をみて判断しました」
理に適ったメンバー選考にも思えるし、ACLを投げ出したように聞こえなくもない。解釈の仕方によって賛否両論が分かれるところだろうが、汰木康也が「人よりも本当にACLにかけていた思いは強いので、悔しいは悔しいですが、何と言っていいのか言葉が出てこないです」と述べたように、ACLを捨てたとは考えにくい。そもそも、例え消化試合のようなシチュエーションの試合でもプロチームが公式戦を捨てることはない。
今回の準々決勝敗退で改めて考えさせられたのは、ACLの戦いはJ1リーグを含めて考える必要があるということだ。仮にヴィッセル神戸が現時点でJ1リーグ残留争いの渦中にいなければ、ACLを捨てた疑惑なんかは起こらない。言い方を変えれば、残留争いをしていなければACLにもっと全パワーを注げた可能性もある。
J1リーグ残留争いがチラつく状況で、過密日程のACLを勝ち抜くのは至難の業だった。
試合後、ACLの戦いを今後のリーグ戦にどう繋げたいかと問われた山口蛍は「リーグ戦はリーグ戦の戦いというのがあると思うので、ACLとは別物」と答えている。反論はない、正論である。
ただ、一方では3月のACLプレーオフで主力のセルジ サンペールが負傷離脱し、その後のリーグ戦にかなりの悪影響を及ぼしたのも事実である。マインドとしてはリーグ戦とACLは別物だが、実際には無関係ではない。
今回の準々決勝敗退が教えてくれたことは、ACLをどういうチーム状況で迎えるかもかなり重要ということだ。もちろん、J1リーグ首位の横浜F・マリノスがラウンド16でヴィッセル神戸に敗れるといった例もあるが、J1リーグとACLを切り離して考えていては、いつまでもアジアの頂点には立てないと思われる。これが、2度目のACL挑戦で得た教訓だろう。
Reported by 白井邦彦