FC東京戦、G大阪戦と2試合連続のクリーンシート(2-0)で今季初の連勝を飾った清水。順位も一気に暫定12位まで上がり、ゼ リカルド監督が6月の就任時から言い続けてきた「自信を取り戻す」ことの積み上げが着実に進んでいる。
結果が出始めた要因として大きいのは、やはり得点力が上がっていることだろう。リカルド監督が就任してから無得点の試合がなく、9試合で18得点(1試合平均2.0点)。絶対的エースのチアゴ サンタナが9試合で6得点と好調で、カルリーニョス ジュニオも直近2試合連続でゴールを決め、調子を上げてきた。夏の新戦力(北川航也、ヤゴ ピカチュウ、乾貴士)も攻撃力の向上に大きな役割を果たしている。
それと同時に、守備で粘りが出てきているのも大きい。とくに前節・G大阪戦は、清水対策を徹底されてかなり苦しい展開になった。だが、その中でも「我慢できたことが大きかった」と守備を統率するセンターバックの鈴木義宜が言う通り、G大阪に先制点を与えなかったことが大きな勝因となった。
今はタレントも華もある攻撃陣に目が行きがちだが、今回は守備での「我慢強さ」の向上について検証していきたい。
今季の清水は、ここまで25試合で38失点。1試合平均は1.52点と、J1で3番目に多い数字だ。とくに課題となっていたのは、前後半とも残り15分=疲れてきた時間帯での失点の多さだった。それがここに来て2試合連続の無失点で、G大阪戦ではもう1人のCB・立田悠悟が足をつるなど終盤は相当消耗させられていたが、それでもホームチームの反撃を抑えきった。
そうした粘りが出てきた理由について、鈴木義は次のように語る。
「今は、我慢していれば前線が点を取ってくれる、ここを我慢すれば大丈夫だっていう確信みたいなものがあります。僕らも人間なんで、そうやって先が見えていると頑張れますよね」(鈴木義)
G大阪戦では、その確信どおり73分にベンジャミン コロリが先制点を決め、86分にカルリーニョス ジュニオが追加点。頑張りが“報われる”ことによって、疲労がピークに達してきた時間帯でも集中力を保ち続けることができている。
そしてもうひとつ、24歳の大器・立田悠悟が自信をつけてきたことも大きい。191cm/83kgで、スピードにも不足はなく、フィードなどの攻撃面でも力を発揮するポテンシャル抜群の大型センターバック。昨年まではミスが少し目立つなど荒削りな面もあったが、今季は安定感を大きく向上させている。コンビを組む鈴木義も「自信が増して、自分が持っているものを試合で表現できるようになってきたと感じます」と証言する。
G大阪戦で危険なシーンでの好守を連発した立田本人も、今の状況に充実感を味わっている。
「なかなか点が取れないと、やっぱり後ろも焦れちゃうところはあると思いますが、今は自分たちのモチベーションも上がるし、すごくやりがいを感じています。ゼロで終われた試合はすごく達成感があるので、この快感をもっともっと味わいたいし、この癖をつけていかないといけない。そう考えると、まだまだ足りないです」(立田)
もちろん守備力の向上は、後ろの選手によるものだけではない。
「今は全体がコンパクトに守れていて、前の選手が(パスコースを)限定してくれているので、自分たちも狙いやすいです。そこで自分たちが前にアタックに出たときは、必ず(松岡)大起やシラくん(白崎凌兵)がしっかりカバーして、はさみに来てくれる。自分が前に出たらノリくん(鈴木義)が裏のカバーとか、そういう全体的な信頼関係がチームとしてできてきてると思います」と立田は言う。
鈴木義も「みんなのコンディションが上がってきて、練習からみんな意欲的にやれていることも大きいですね」とつけ加える。
次節は、前回1-3で完敗した柏とのホームゲーム。アイスタでは今季まだ1勝しかできておらず、ホームでの戦いに対する自信はもっと欲しいところ。3位の柏に対して3戦連続のクリーンシートで勝つことができれば、非常に大きな自信ときっかけをつかむことにつながるだろう。
「間違いなく難しい試合になると思いますが、今はその難しい状況を打破できるだけの力をつけている途中だし、打破できると思っています。“きっかけ”は少なからずつかんだと思うで、この流れを切らないようにまた勝ちたいです」(立田)
その言葉を信じて応援を続けられることは、サポーターにとっても大きな“やりがい”につながっているのではないだろうか。
Reported by 前島芳雄
結果が出始めた要因として大きいのは、やはり得点力が上がっていることだろう。リカルド監督が就任してから無得点の試合がなく、9試合で18得点(1試合平均2.0点)。絶対的エースのチアゴ サンタナが9試合で6得点と好調で、カルリーニョス ジュニオも直近2試合連続でゴールを決め、調子を上げてきた。夏の新戦力(北川航也、ヤゴ ピカチュウ、乾貴士)も攻撃力の向上に大きな役割を果たしている。
それと同時に、守備で粘りが出てきているのも大きい。とくに前節・G大阪戦は、清水対策を徹底されてかなり苦しい展開になった。だが、その中でも「我慢できたことが大きかった」と守備を統率するセンターバックの鈴木義宜が言う通り、G大阪に先制点を与えなかったことが大きな勝因となった。
今はタレントも華もある攻撃陣に目が行きがちだが、今回は守備での「我慢強さ」の向上について検証していきたい。
今季の清水は、ここまで25試合で38失点。1試合平均は1.52点と、J1で3番目に多い数字だ。とくに課題となっていたのは、前後半とも残り15分=疲れてきた時間帯での失点の多さだった。それがここに来て2試合連続の無失点で、G大阪戦ではもう1人のCB・立田悠悟が足をつるなど終盤は相当消耗させられていたが、それでもホームチームの反撃を抑えきった。
そうした粘りが出てきた理由について、鈴木義は次のように語る。
「今は、我慢していれば前線が点を取ってくれる、ここを我慢すれば大丈夫だっていう確信みたいなものがあります。僕らも人間なんで、そうやって先が見えていると頑張れますよね」(鈴木義)
G大阪戦では、その確信どおり73分にベンジャミン コロリが先制点を決め、86分にカルリーニョス ジュニオが追加点。頑張りが“報われる”ことによって、疲労がピークに達してきた時間帯でも集中力を保ち続けることができている。
そしてもうひとつ、24歳の大器・立田悠悟が自信をつけてきたことも大きい。191cm/83kgで、スピードにも不足はなく、フィードなどの攻撃面でも力を発揮するポテンシャル抜群の大型センターバック。昨年まではミスが少し目立つなど荒削りな面もあったが、今季は安定感を大きく向上させている。コンビを組む鈴木義も「自信が増して、自分が持っているものを試合で表現できるようになってきたと感じます」と証言する。
G大阪戦で危険なシーンでの好守を連発した立田本人も、今の状況に充実感を味わっている。
「なかなか点が取れないと、やっぱり後ろも焦れちゃうところはあると思いますが、今は自分たちのモチベーションも上がるし、すごくやりがいを感じています。ゼロで終われた試合はすごく達成感があるので、この快感をもっともっと味わいたいし、この癖をつけていかないといけない。そう考えると、まだまだ足りないです」(立田)
もちろん守備力の向上は、後ろの選手によるものだけではない。
「今は全体がコンパクトに守れていて、前の選手が(パスコースを)限定してくれているので、自分たちも狙いやすいです。そこで自分たちが前にアタックに出たときは、必ず(松岡)大起やシラくん(白崎凌兵)がしっかりカバーして、はさみに来てくれる。自分が前に出たらノリくん(鈴木義)が裏のカバーとか、そういう全体的な信頼関係がチームとしてできてきてると思います」と立田は言う。
鈴木義も「みんなのコンディションが上がってきて、練習からみんな意欲的にやれていることも大きいですね」とつけ加える。
次節は、前回1-3で完敗した柏とのホームゲーム。アイスタでは今季まだ1勝しかできておらず、ホームでの戦いに対する自信はもっと欲しいところ。3位の柏に対して3戦連続のクリーンシートで勝つことができれば、非常に大きな自信ときっかけをつかむことにつながるだろう。
「間違いなく難しい試合になると思いますが、今はその難しい状況を打破できるだけの力をつけている途中だし、打破できると思っています。“きっかけ”は少なからずつかんだと思うで、この流れを切らないようにまた勝ちたいです」(立田)
その言葉を信じて応援を続けられることは、サポーターにとっても大きな“やりがい”につながっているのではないだろうか。
Reported by 前島芳雄