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【取材ノート:新潟】小島亨介は攻撃サッカーにおいてゴールを守る醍醐味を追求する

2022年7月29日(金)
28試合を終え、ここまで全試合でゴールを守る小島亨介は、攻撃的なチームにおけるキーパーのあり方を突き詰めながら、J1昇格争いを繰り広げるチームをしっかり支えている。今季から指揮を執る松橋力蔵監督に求められているのも、より積極的に攻める姿勢だ。

「開幕前のキャンプで、監督から『キーパーがアシストするくらいのつもりでやってくれ』と言われて。攻撃に関しては、フィールドプレーヤーの感覚でやらせてもらっています」

アルビレックス新潟に加入して3年目の小島は、優れたフットワークをゴールキーピングだけにとどまらず、攻撃面でも存分に生かす。タイミングよくペナルティエリアから出ていっては、利き足である左足のキックを駆使してビルドアップを活気づける。相手を見ながら攻め込む機会を探っていくチームにおいて、最後尾の小島の関わりが提供してくれるプレーの選択肢、バリエーションはかなりのものだ。

松橋監督率いるチームは1点取れば2点目、2点取れば3点目と、ゴールを目指し続ける。ここまで上位で戦い続けているのは、それだけ攻撃力があるからだ。しかも、安易に『リードを守り切る』という発想をしないチームとあって、本業である守備機会が少ない試合もけっこうある。

「少ない時間の中でも、集中力を持って守り切りたいんです。そうすれば、クリーンシートの確率も高まる。ボールを持つサッカーは僕も好きですし、相手に攻撃の機会を与えないということは、失点を未然に防ぐことにもなる。だからこそ、少ないピンチを止められるようにならないといけないです」

今季初めて逆転負けを喫した第28節・ファジアーノ岡山戦の後、一言ずつかみ締めた。13分に先制を許したものの、前半のうちに逆転に成功。3ポイントを積み上げる絶好の展開に持ち込みながら、88分にCKの流れから押し込まれて逆転を許す苦杯となった。


「最後に詰められたところというより、CKにしないとか、しっかり一度目でクリアするとか、周囲を確認してラインを上げるとか、そういうところが大事だし、もっと集中していかないと。夏の暑さの中、体力が減っている状況でも、攻守において自分たちのクオリティーを下げずにゴールに向かい続けることが、ここから戦う上でいっそう重要になってくると思います」

岡山戦で出た課題をしっかりチームで共有し、改善して、自分たちのクオリティーを上げていく。負けたことを攻守の向上に生かすつもりだ。ここで止まってしまうわけにはいかない。

Reported by 大中祐二