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【取材ノート:名古屋】名古屋グランパス四季折々:どんどん出てこい、名古屋の“若鯱”たちよ

2022年4月13日(水)
先日、名古屋グランパスのトップチームは5名の2種登録選手を発表した。3年生の宇水聖凌と北橋将治、そして2年生の鈴木陽人、内田康介、大田湊真である。彼らのうち、大田と内田はすでに清水とのエリートリーグに出場した経験があり、宇水は1月に行われた中京大との練習試合でボランチとして出場、ゴールまで決めている。その中京大戦には鈴木も出場しており、「何人かは練習試合等々で見ている選手もいる。ユースの監督や関係者の推薦も当然ある。クラブとしてこういう選手をトップに上げたいという部分と、実際に見てこの選手いいね、という部分をすり合わせて5名を決めた」という長谷川健太監督の言葉もなるほどと頷ける部分があった。

もちろん現状ではバックアップメンバーの域を超えないところはあるが、この5名からはアカデミーの期待がひしひしと伝わってきた。例えば鈴木はU-12から名古屋に所属する正真正銘のフランチャイズプレーヤーで、U-10の頃からキャプテンを務めている生粋のリーダーで、6年生の時点で「モドリッチが好き。もっと相手の逆を取って、相手を遊べるくらいのテクニックやパスの質、ポジショニングで相手を翻弄したい」と立て板に水の受け答えをしていたのをとても印象的に覚えている。かつて森勇人(現水戸)がトップチームに昇格した時、「勇人が上がればければ誰も上がれない」と言われていたように、彼もまた名古屋のアカデミーを体現する男として、周囲の期待を背負っていることを感じる。

同じ2年生の内田も大田も、清水のトップチームを相手に物おじせずにプレーしていた。内田はいわゆる“フィジカルお化け”で、最近はちょっと体脂肪率を気にしているとの噂も聞いたが、育ち盛りだけにどんどん大きく強くなっていってほしいもの。大田は177cmと上背はそこまでないが、センターバックとしてバチバチと清水のFW相手に身体をぶつけていた。2年生ばかりでは申し訳ないが、宇水と北橋はまさにトップチーム昇格をかけた1年の中での2種登録だけに、本人たちの意気込みも違うはず。ここ数年、安定して良質なGKを輩出してきた名古屋アカデミーのキーパーとして北橋の実力には期待したいところもあり、186cmのサイズも含めてポテンシャルはある。ちなみに、現在はコンディションの関係で欠場が続いている貴田遼河という逸材FWもまだ控えていることも、一応追記しておく。

エリートリーグ 清水戦の後半から起用された大田湊真

現在、チームには今季昇格の豊田晃大、甲田英將、吉田温紀のほか、栃木での武者修行を終えて帰ってきた東ジョン、絶賛売り出し中の藤井陽也など個性豊かな先輩たちが努力を重ねている。キャンプでは大学に進んだ先輩たちも呼ばれ、他クラブに比べてホームグロウンの選手がやや少なかった近年を思えば育成選手とトップチームの関係性はより強固なものに変わってきている感覚も強い。登録されたからと言っていきなり出番があるわけではないが、こういう楽しみ方もJクラブにはあるということで、“若鯱”たちの今後にも注目しておきたい。

Reported by 今井雄一朗

【名古屋グランパス公式サイト】名古屋グランパスU-18 宇水 聖凌選手、鈴木 陽人選手、内田 康介選手、大田 湊真選手、北橋 将治選手 トップチーム登録(二種登録)のお知らせ